ロマンティック数学ナイト

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第二期不完全性定理の風景~”論理”とは何かを再考する~(2019年)

18時開演

第二期不完全性定理の風景~”論理”とは何かを再考する~(2019年)

WakaLabo 新宿

17:45

18:00

無料

檜山正幸

好評につき第二期開講決定!

ロマンティック数学ゼミの詳細については下記ページをご覧ください。
ロマンティック数学ゼミとは>>

講師:檜山 正幸(ひやま まさゆき)

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1955年栃木生まれ。平成17年度「情報処理学会」業績賞受賞。長年システム開発に従事してきた経験から、数理論理学、圏論、コンピュータ数学の指導で定評がある。大人のための数学教室「和」講師。
〇役職歴
・テクニカルコミュニケーター協会 理事
・国際大学グローバル・コミュニケーション・センター フェロー
・XML開発者の日 議長
・JIS/INSTAC委員
・XMLJapan.org 技術アドバイザー など

〇書籍
・「決定版!ビジネスドキュメントの説得技法」(日本経済新聞社)共著
・「Informix-SQL:4.0対応」(トッパン)
・「INSIDE LINUX オペレーティングシステム」(レーザー5出版局)監訳 など多数

〇ブログ キマイラ飼育記>>(2005年開始)


∞開催日程概要∞

【人気ゼミのため第二期も継続開催することとなりました!】
2019年8月4日(日) 第0回(ガイダンス回)開催
2019年9月講座開講
※8月4日の第0回は9月開講の連続講座のガイダンス回となります。
本講座の料金、回数、日程に関してはページ下部の開催日時・費用をご参照ください。

※全回お申込みの方は下記googleフォームよりお申し込みをお願いします。
https://forms.gle/GWctPc2E5hvxY48s5


∞不完全性定理は人類の叡智∞

曖昧性なく明確に記述された数学的な主張があるとき、それがホントかウソか?は、いずれは分かるはずだと我々は信じています。
たとえそれが、とても困難だったとしても。

しかし、ホントかウソかの答えは、必ずあるものなのでしょうか。ホントかウソかが分からない、答えの出ない問いはあるのでしょうか。あるいは、答えがあるかどうかすらもわからない問題。答えようとすると、うまくいかない。もしかしたらそんな問題もあるかもしれません。

不完全性定理は、そんな疑問に対するヒントとなることでしょう。しかし、その定理はなかなか近付き難いものです。

だからこそ、
「人間の理性に限界がある?」
とか、
「数学の欠陥が見つかった?」
などと勘違いされてきた定理の一つでもあります。多くの誤解をもたらした定理だからこそ、しっかりと理解したいものです。論理の世界の”非日常”に触れれば、より多くのロマンを感じられることでしょう。

論理的推論の限界とは何か。不完全の意味とは何か。

不完全性定理は、人類の行為としての数学・論理・推論の特性と限界について多くの問いかけをもたらしました。今、その定理に手が届く、人類の叡智の一つである、不完全性定理が手に入る、そんなゼミがここにあります。

 


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∞不完全性定理から見える風景∞

「ゲーデル」(Kurt Godel)や彼の「不完全性定理」について、名前くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。「不完全性定理は、人間の知性/理性の限界を示した」とか言う人(オッペンハイマー)もいますが、ゲーデルの定理は、あくまでも、論理体系の能力/機能に関する主張です。ここで言う“論理体系”は機械的に実行可能な手続きの体系ですから、不完全性定理の主張を「計算機で出来ることには限界があるよ」と言い換えても差しつかえありません。ですが、「計算機で出来ることの限界」=「人間の知性/理性の限界」かどうかはまた別な話です。

機械(計算機)でも実行できるほどに明確に定義されていて、実用に耐える程度にリッチな論理体系があると、その体系は必然的に“不完全”になってしまいます。“不完全”の意味は、その体系のなかに、証明もできないし反証(否定の証明)もできない命題が入り込んでしまうことです。

このような不完全さは、避けることができないものです。不完全ではない、つまり、どんな命題も証明または反証ができる体系もありますが、そういう体系は実用に使うには貧弱過ぎます。完全さを求めるなら実用性を捨てなくてはならず、実用性が欲しいなら不完全さを受け入れるしかないのです。

不完全定理の結果だけを雰囲気的に知ると、不思議なもの、神秘的なものに感じるかも知れません。しかし、ゲーデルがやったことは不思議や神秘とは対極に位置するものです。「あきれるくらいに明晰」な思考を「あきれるくらいに明晰」に記述したものです。

ゲーデルの不完全性定理を、自然言語(日常言語)だけで説明する試みを見かけますが、これは無理スジじゃないかと思います。仮に正確な説明だったとしても(そうじゃない例も見かけます)、自然言語を使った記述では、なんだか騙されたような印象をぬぐいきれません。「あきれるくらいな明晰さ」に触れるには至らないでしょう。

一見回り道のようでも、記号論理学を一通りは勉強して、ゲーデルのアイディアを(だいたいでも)追いかけないと、納得した気分にはなれません。このセミナーでは、実際に記号論理を勉強して、ゲーデルのアイディアを追いかけてみます。ただし、標準的・正統的なコースをたどると長い時間がかかるので、本質を見失わないショートカットに沿って不完全性定理へと旅しましょう。

 

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∞ゼミ概要∞

ゲーデルの不完全性定理を、自然言語(日常言語)だけで説明する試みを見かけますが、これは無理スジなようにも感じます。仮に正確な説明だったとしても(そうじゃない例も見かけますが)、自然言語を使った記述では、なんだか騙されたような印象をぬぐいきれません。「あきれるくらいな明晰さ」に触れるには至らないでしょう。

一見回り道のようでも、記号論理学を一通りは勉強して、ゲーデルのアイディアを(だいたいでも)追いかけないと、納得した気分にはなれません。このセミナーでは、実際に記号論理を勉強して、ゲーデルのアイディアを追いかけてみます。ただし、標準的・正統的なコースをたどると長い時間がかかるので、本質を見失わないショートカットに沿って不完全性定理へと旅しましょう。

第二期では、参加者同士の交流の機会を設け、回数も全6回⇒7回に増加し、より深く学べるゼミとなりました。


∞開催日時

第0回 2019年8月4日(日)18時00分~19時30分(ガイダンス回・無料)
第1回 9月1日(日)18時00分~21時00分 「思考の記号化 :論理の世界」
第2回 10月6日(日)18時00分~21時00分 「愛憎のネットワーク:述語論理」
第3回 11月3日(日)18時00分~21時00分 「忠告する! 君は成功しない:背理法」
第4回 12月1日(日)18時00分~21時00分 「機械的推論と推論する機械:形式的証明」
第5回 2020年1月12日(日)18時00分~21時00分 「鳥と虫、あるいは人間と機械:メタ論理」
第6回 2月2日(日)18時00分~21時00分 「プログラムの嘘つき物語:停止性判定の不可能性」
第7回 3月1日(日)18時00分~21時00分 「数学の嘘つき物語:ゲーデルの不完全性定理」

※タイトルはあくまで予定のものであり、受講生の理解度やご要望によって変更の可能性がありますのでご注意ください。
※継続講座となりますが、1回1回が完結型となっておりますので、途中だけの参加、欠席の回があっても問題ありません。
※第0回に参加しなくても第1回目以降は申し込むことは可能です。

 

∞各回内容

1. 思考の記号化 :論理の世界
数学的論理=記号論理は、その名の通り、記号的表現を使います。主張や推論過程を記号的に表現することにより、現実世界をシミュレートする論理の世界を作ります。その論理の世界へと入っていきます。

2. 愛憎のネットワーク:述語論理
論理を命題論理と述語論理に分けることが多いのですが、命題論理は述語論理のなかに含めてしまい、「任意の」「存在する」という言葉の使い方を中心に練習します。

3. 忠告する! 君は成功しない:背理法
数学の命題の証明では背理法が使われることがあります。非存在や不可能性を証明する際は、「在ったらおかしい」「出来たらおかしい」という形で背理法を使うので、背理法に慣れておきましょう。

4. 機械的推論と推論する機械:形式的証明
述語論理の論理式を使うと、命題を正確に表現できます。証明は、与えられた命題から別な命題を作り出す機械的手順とみなせます。「証明が存在する/出来る」あるいは「証明が存在しない/出来ない」をハッキリさせるために、機械的手順としての証明を理解しましょう。

5. 鳥と虫、あるいは人間と機械:メタ論理
論理式や機械的証明に慣れたら、次は、論理式や証明を対象として論理的考察を行います。論理式を扱う作業をしている人・機械を、さらに外から観察して何事かを語る — つまり、論理に関する論理 — メタ論理を学びます。

6. プログラムの嘘つき物語:停止性判定の不可能性
与えられたプログラムが停止するかどうかを判定するプログラムを作れるでしょうか? これが停止性判定の問題です。停止性判定の問題は、「嘘つきのパラドックス」と似た構造を持ちます。「私は嘘つきです」と言っている人は嘘を付いているでしょうか? こんなややこしい話を、論理とメタ論理により分析しましょう。

7. 数学の嘘つき物語:ゲーデルの不完全性定理
「嘘つきのパラドックス」を、命題と証明の文脈で再構成すると、「この命題は証明できません」という内容の命題が証明できるか? という問題になります。さらにややこしくなりました。これについて、しっかり考えましょう。


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∞費用

第0回 無料
全回(1~7回)参加 79,000円
※全回お申込みの方は下記googleフォームよりお申し込みをお願いします。
https://forms.gle/GWctPc2E5hvxY48s5

※お申し込みの方に振込先の口座をご連絡いたします。
※最小履行人数は10名となります。最小履行人数に満たない場合、非開催となります。1週間前に確定となります。


∞推奨参加条件

一般に想定する数学の知識(微分、積分、三角関数、確率等)は不要ですが、考えることを厭わない方の参加を推奨します。


∞こんな人におすすめ

・不完全性定理に興味があるが、専門書が理解できない方
・不完全性定理の一般向けの啓蒙書を読んで、何か騙された気持ちになっている方
・コンピュータが好きで、コンピュータの原理に興味がある方
・数学を趣味で行っている方


∞開催場所

WakaLabo新宿
アクセス>>
https://wakara.co.jp/access#shinjuku

※全回お申込みの方は下記googleフォームよりお申し込みをお願いします。
https://forms.gle/GWctPc2E5hvxY48s5

 

∞お客様の声

通常のゼミ講義と違い、予習で分からない部分を明らかにして、少しずつ受け入れた上で講義をきくと理解が深まって非常に良かったです。今後もブログを楽しみにしています。」

「証明自体をグラフ構造としてとらえることを知ったとき、とても感動しました。知的好奇心をとても揺さぶられました!ありがとうございました!」

「最後の証明は魔法にかけられたかのような気がして美しいなと思いました。全体的にわかりやすかったし、論理数学の世界の裏事情(表現方法がありすぎて大変だとか)を知れたのがとても良かったです。」

「論理の勉強はしたことはなかったのですが、論理記号にも慣れて、論理の基本的な考え方も身についてよかったです。また、ムズかしいことを学ぶ際の心構えも持てた気がします。」

「結論がわかったので、それを踏まえてもう一度最初から聞きたいと思いました。」


∞よくあるご質問∞

下記のロマンティック数学ゼミHPのページ下部のQAをご確認ください。
ロマンティック数学ゼミHP>>


∞企画運営∞

和から株式会社
渋谷(本社)・新橋・大阪にて社会人向けの数学個別指導教室「大人のための数学教室 和(なごみ)」や「大人のための統計教室和」を運営。数学が苦手な大人から 数学の業務・研究応用を 目的としているマーケター、経営者、大学教授まで月間400名(2016年3月現在)を超える社会人に対して必要な数学や統計学の授業を日々提供している。企業におけるデータセンス研修やデータ分析研修も実施。
和から株式会社HPはこちら>>

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